授業・研修報告書「地域・在宅看護論概論①

こんにちは。シオン訪問看護ステーションです。

今日の授業・研修報告書は「地域・在宅看護論概論①」です。

これから看護の道に進んでいく真っ白な看護学生(恵生会看護学校?)さん達に「在宅看護」、「訪問看護」を知ってもらう・考えてもらうための研修でした。

講師の山本は今回の研修で「まったく看護の状況や看護の『か』の字も知らない学生さんに対していきなり在宅看護、訪問看護のワードを出しても想像がつかない。なので『入口』をまず知ってもらいたい。」だそうです。
どんなことにも「入口」は重要事項です。今後の行動にも左右します。

今回の研修内容の流れ

まずは自己紹介から。

つぎに学生さんの自己紹介。自分の長所も発表です。(苦手な方も多いとおもいます)
授業についての説明と、評価方法。

さぁ、いよいよ研修開始です。

地域でどのくらいの年齢層、世帯数があるのか。どんな医療機関が周りに存在しているのか。それらを考えて地域の状況を深堀していきました。

まずは『地域を知る』ことから。

学校がある堺市の人口世帯数を伝え、
その数から自分が住んでいる地域自体が医療機関・高齢者施設・教育機関・商業施設なども踏まえてどのような施設があるのか考えてもらいました。

またどんな地域だと健康で暮らせると思うか?についても考えてもらいました。
学生の回答で一番多かったものが、やはり病院です。
この回答は看護に関わっていない人でも一番に思い浮かぶ施設だと思います。

次に年老いても誰でも安心して暮らせる高齢者施設。健康を維持できるサークル。
このような施設があれば、健康に暮らせる地域じゃないかという意見が出ました。

では「健康」というワードに対して「健康な人」とは一体・・・どんな人のことを指すのか。

平均寿命と健康寿命の違いとは?
・平均寿命・・・亡くなった(呼吸が止まる)年齢を足して、人数で割った「寿命の平均値」
・健康寿命・・・日常生活に制限がない期間の平均年数
を指します。
さらに「寿命」と「健康な人」をもっと深く聞いていきます。
例えばいろいろなチューブを体に入れて、自分の意志で動けなくても永らえる人のことを健康な人?

それとも寿命が長いひとのことを健康な人?
実は健康寿命は平均寿命より下回ります。

長生きイコール健康ではない。
そのことを踏まえてさらに考えると、健康寿命とは自分の身の回りのことをある程度でき、自分の意志で動ける。そのことを「健康寿命」というのではないでしょうか。

では、その健康を維持するサービスは住んでいる地域にどのくらいあるのか、訪問看護・在宅寄りで考えてみました。
生活の中で、いろいろなサービスが整っていても、住んでいる地域的に様々な要因があることで人が不健康になる場合も考える必要があります。
それを社会的決定要因(SDH)といいます。

たくさんの病院やいろいろな施設が整っていても、平均寿命と健康寿命の差があり続けることは、地域的に社会的決定要因があるからではないでしょうか。
これから看護でたくさんの人と接するには、在宅・地域でまず関心を持つことが大切です。

この地域の社会的資源、人が不健康になりそうな要因はあるのか。
つぎに療養者・そのご家族について関心を持つ。
その人ができることは何か?何を求めているのか。何を目標にしていくのか。

ご家族の希望は?
さらに、その希望、目標に対してどういったサービスがあるのか。
そして、自宅・在宅・地域で看護を受ける人にとっての大事なワードはなにか。
見ないといけないワードはなにか。
そのワードを使い考えながら、看護実践を行うことが大事なのです。

それが在宅・訪問看護の「入口」です。

在宅看護とは
上からや一方通行の看護ではなく、療養者(利用者)やご家族と看護師が一緒に考え、一緒に走るケアをすることと在宅看護です。
同時に地域自体の健康、社会的要因にも目を向ける・関心を持っていかないといけません。

今回の研修のまとめ
今回は在宅の入口を知ってもらうための研修でした。

次回は「暮らしについて」の研修報告です。