こんにちは。シオン訪問看護ステーションです。
今回の研修・講義報告書は前回に引き続き「地域・在宅看護概論6回目」地域包括システムの仕組みから、仕組みの中で支えられる「地域・在宅看護の対象者」について、講義しました。

まず前回の「地域・在宅包括ケアシステム」の本質について再度話ました。
・地域の特性(文化や産業、資源の差)を活かすこと。
・住人が支え合い、最後まで自分らしく暮らせる地域を作ること。

これらを踏まえて、「実際に私たちが向き合うのはどのような人たちなのか?」という問いから本題へ進みました。
ライフステージから見る「対象者」
世間的に「在宅看護=お年寄りのケア」というイメージが強いかもしれませんが、地域にはあらゆる世代が暮らしています。
講義ではライフステージごとの特徴にと課題について整理しました。

小児期~思春期・青年期
超少子化が進む中、学習環境の変化による視力低下や、10代の死因1位が自殺であるという現状など、心身の健康だけでなく、社会的背景も含めた支援の必要性を学びました。
成人期
社会を支える「生産年齢層」は実は運動習慣の割合が低く、生活習慣病のリスクを抱えている層とも言えます。労働や結婚・出産などの大きなライフイベントと健康の維持をどう維持させるかを話し合いました。
社会を支える世代ですが、運動習慣が少ない傾向にあり、生活習慣病のリスクを抱えている世代でもあります。仕事や家庭と健康をどう両立するかが課題となります。
老年期
高齢化が進む中で、単に「介護を受ける存在」としてではなく、就労や余暇活動を通して、いかに生活し続けるかが重要です。



学生には「あなたの10年後、30年後はどうなっていたい?」と問いかけ、対象者を。「自分事」として考えてもらいました。

グループワーク「この人の問題と支援」
後半は、2つの事例をもとにグループワークを行いました。



事例① 77歳女性。(独居)
夫を亡くし、買い物や通院が難しくなり。外出の機会が減っている方です。
身体的な課題だけでなく、「寂しさ」や「孤立」といった側面にも目を向け、趣味である編み物をきっかけに、地域とのつながりをどう再構築するかを考えました。

事例② 34歳トランスジェンダー
職場でカミングアウトできず、不眠や摂食障害などの症状を抱えながら、孤独感や居場所のなさを感じている方です。
医療的な支援だけでなく、安心して相談できる場所や理解者の存在など、多様性を尊重した支援の必要性について考えました。

「4つの助」と社会的処方
支援を考えるうえで、第5回で学んだ「4つの助」を整理しました。
・自助(自分で生活する力)
・互助(近隣やボランティアとの支え合い)
・共助(制度による支援)
・公助(行政による保障)

これらをどう組み合わせるかが重要になります。
さらに講義では、「社会的処方」という考え方にも触れました。
これは、「眠れない」「食べれない」といった症状の背景にある孤独や不安といった社会的な問題に対して、地域の活動や人とのつながりを処方するとう考え方です。

趣味の場やコミュニティ、支援団体など、人とつながること自体が支援になるいう視点を学びました。
今回の講義では、
・ライフステージごとの特徴を理解すること
・身体だけでなく心や社会的側面も含めて健康を捉えること
・対象者の個別性に応じて地域資源をつなぐこと
の重要性を学びました。

学生たちが主体的に考え、発表する姿からは、「その人の人生をどう支えるか」という視点が少しずつ育っているように感じました。
看護職は、利用者様にとっての「一番の味方」になれる存在です。
その人を深く理解し、地域とつなぐ架け橋となれるようこれからも共に学びを深めていきたいと思います。
今回の報告は以上です。また次回お会いいたしましょう。
ここまで読んでいただきまして、ありがとうございました。
